Japanese
English
外科と薬剤
外科領域におけるAtraxinの使用経験
On the Use of ATRAXIN in the Surgical Clinic
菅原 古人
1
,
野崎 成典
1
,
平井 宏樹
1
,
木村 博
1
,
谷藤 和弘
1
,
今川 德郞
1
,
田原 良一
1
,
露口 幹彥
1
Hisato SUGAWRA
1
,
Shigenori NOZAKI
1
,
Hiroki HIRAI
1
,
Hiroshi KIMURA
1
,
Kazuhiro TANIFUJI
1
,
Tokuro IMAGAWA
1
,
Ryoichi TAHARA
1
,
Mikihiko TSUYUGUCHI
1
1札幌医科大学外科学教室
1Department of Surgery, Sapporo Medical College
pp.69-74
発行日 1958年1月20日
Published Date 1958/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202120
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ
戦後,医学の進歩は予測しがたいほどめまぐるしく,とくに外科の領域はいちゞるしく拡大して,以前はほとんど不可能と思われた消化器,心,肺,脳などの大手術が,比較的容易におこなわれるようになり,かつ良い結果をえている.それにつれて,一般大衆の疾病に関する常識も,しだいに向上してきたとはいえ,何人たりといえども手術をうけるということにたいする不安,恐怖,または術後の興奮,予後にたいする心配などの精神的動揺は消失するものではない.くわえて精神身体医学が高く評価されている今日,手術に関しておこる患者の精神的動揺,緊張を除くことは,手術そのものにたいしても,またその効果にたいしても,欠くべからざるものであると考える.
1950年Ludwig & piechがPropanediol誘導体として,2・2-Methyl-n-Propyl-1・3-Propanediol dicarbamate(Miltown)を合成し,Bergerはこれが脳にたいし鎮静効果のあることを発表して以来,Tranquilizer"静める"薬として,主に精神科領域において,とくに不安,緊張状態を中心とする神経症患者に使用し,かなり良好な結果をえ,かつみるべき副作用のないことゝともに新らしい静穏剤,精神安定剤として称揚されている.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.