Japanese
English
特集 腫瘍
2歳男児にみられた原発性ヘパトームの1例
A Case of Primary Hepatoma in 2years old Boy
野崎 成典
1
,
鈴木 敏道
1
,
折內 忠昭
1
,
今川 德郞
1
,
大鹿 栄達
2
,
三重野 裕
2
Shigenori NOZAKI
1
,
Toshimichi SUZUKI
1
,
Tadaaki ORIUCHI
1
,
Tokuro IMAGAWA
1
,
Eitatsu OSIKA
2
,
Hiroshi MIENO
2
1札幌医科大学外科学教室
2札幌医科大学小児科教室
1Department of Surgery, Sapporo Medical College
2Department of Pediatrics
pp.155-159
発行日 1958年2月20日
Published Date 1958/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202141
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Ⅰ.緒言
原発性肝癌の理解はEggel(1901),Wegelin(1905),Muir(1908),山極(明治43年),Karsner(1911)らによつて進歩した.およそ癌腫には癌年齢があつて,原発性肝癌においても,他の多くの癌におけるごとく,平均年齢は,頻度の高い地方で50歳以前,低い地方では60歳代であり,幼小児にみることは比較的稀れである.外国文献によれば,1939年Drummond & Tollmannは16歳以下の報告例は79例であるといい,1952年Neil & Poughkeepsieは90例を,1953年Bigelow & Wrightは95例を数えているにすぎず,わが国においても,明治43年三輪,山極の報告以来,昭和30年川合の症例をくわえて,現在までに28例が報告されているのみである.
われわれは,最近,2歳の男子で,腹部腫瘤の診断のもとに開腹し,組織学的原発性肝癌であることを確診し,肺転移の著明であつた1例を経験したので報告する.
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