Japanese
English
症例
小腸相互間の結節形成に因るイレウスの三治験例
Three curative cases of Ileus by the tubereous formation of the intestinal tenue
代田 明郞
1
,
真木 実
1
,
中村 典男
2
1日本医科大学松倉外科教室
2日本医科大学細菌学教室
pp.61-67
発行日 1958年1月20日
Published Date 1958/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202119
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腸管結節形成によるイレウスは移動性に富む二つの遊離腸蹄係が先ず交叉し一方の蹄係が他方の腸蹄係に螺旋状に纒絡して後他方の腸蹄係にて一部境せられる間隙に嵌頓することによつて成立する疾患で,本症は主としてソヴィエト及びフィンランド等で多く経験されるものである.
例えばKallio(1932)は自験例77例と共に文献より84例計161例を集めて報告しているがこのうち150例は実にソヴィエト及びフィランドで経験され,残りの僅か11例が他国に於て経験されたものである.此れに反し本邦に於ては大正8年井深1)の報告以来今日まで僅かに20例内外を算するに過ぎない極めて稀な疾患で斎藤2)(淏)教授(昭和29年)も全国大病院,教室より蒐集したイレウス16,420例中に本症は僅かに6例に過ぎなかつたと述べている.
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