Japanese
English
症例
両脛骨に発生せる限局性骨膜炎の1例—Osteoid-osteomaを疑わせた例
A case of Bilateral occurence of localized Periostitis on Tibia, with suspectable resemblance to Osteoid-osteome
平岡 駿一
1
,
榎本 二郞
1
1東京医科歯科大学整形外科教室
pp.1053-1056
発行日 1957年12月20日
Published Date 1957/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202103
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緒言
成人の長管骨に限局性の骨膜性骨新生を起す原因としては外傷,骨膜血腫,炎症性刺戟及び腫瘍が挙げられるが,特に炎症に際しては病原菌の毒力と個体の防禦力との均衡関係によつて多種多様の病像を呈し,時には腫瘍との鑑別が臨床的には極めて困難となる場合が少くない.特に1935年Jaffe-Lichtenstein1)がOsteoid-osteomaなるものを唱えて以来,これらの類似疾患に対する多くの注意が払われるようになり,Osteoid-osteomaの腫瘍性,炎症性の論議が尽きない.最近迄Osteoid-osteomaの報告は200例を超えるが,主として英米派の学者によつて腫瘍性が論ぜられている.しかしドイツ学派には之に疑いを抱くものも少からず,Moberg8),Bosch10),Geschnitzer11),Lofgren16),Phemister17)等により其の腫瘍性について反論がなされている.我国でも本症について最近2,3の症例報告が行われているが,小島氏13)の1例を除くと鳥山氏等15),和知氏等18)の症例はいづれも非定型的なる症例である.
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