Japanese
English
特集 腫瘍
脳腫瘍の統計的観察
Statistical study on verified brain tumors
西本 詮
1
,
友沢 久雄
1
,
桑田 康典
1
Akira NISHIMOTO
1
1岡山大学医学部陣内外科教室
1Dept of surgery, School of Medicine, Okayama University
pp.245-250
発行日 1957年4月20日
Published Date 1957/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201954
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緒言
Cushing-Bailey1)が2000余例に及ぶ脳腫瘍を手術し,分類して発表したのは,すでに30年前のことであり,いわゆる"脳腫瘍学"(主として病理学的見地より)の基礎は,このとき樹立されたといつてよいであろう.その後分類に関しては諸家が部分的に種々の意見を表明しているが,現在通用している分類は依然Cushing-Baileyの報告にもとづいているといつてよく,数の上でもこれに勝る大統計はそれほど多くは発表せられていないようである.著者は1954年より1955年にかけて欧米の脳神経外科を歴訪したが,Olivecrona教授のところでは脳腫瘍手術例はすでに5000例を越えていたように記憶するし,またTönnis教授のところでもやはり5000例を遙かに越えていた.米国ではとくに脳神経外科が独立発達し,clinicの数も非常に多いが,どのclinicを訪ねても1000例以下というようなところを発見することは出来なかつた位で,欧米を通じて脳腫瘍症例の豊富さには感嘆の声を禁じ得なかつたのである.
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