Japanese
English
特集 吐血と下血
症例
保存血によるマラリア感染例
Malaria infe ction by use of bauked blood
山內 博
1
,
長野 武正
1
Hiroshi YAMAUCHI
1
1いすゞ病院外科
1Department of Surgury, ISUZU Hospital
pp.1001-1002
発行日 1956年12月25日
Published Date 1956/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201902
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- Abstract 文献概要
数年来保存血の需要が著しく高まつて,大量輸血は勿論,其の輸血操作が新鮮血よりも簡単であるために従来なら新鮮血を用いた場合にも好んで保存血を用いるようになつた.従つて其の使用量は驚異的数字を示しつつある.然し保存血を使用する場合には,新鮮血と異つて幾つかの特別な注意が払われねばならない.浜口氏等2)によれば,血液は保存によつて其の諸性質が不断に変化し新鮮血の特質が次第に失われるものであるから,大量輸血と雖も新鮮血を用いた方がより効果的であることは事実であるが,実際問題として実行困難のことが極めて多い.
幸に保存による変化は1週間以内では軽微で,1週を越えると次第に高度となり,以後,日を経るに従つて益々顕著となることが明らかにされているので,採血後1週間以内に使用すれば略々新鮮血を用いたと同等の効果が期待出来る.と同時に保存血副作用中最も警戒すべき溶血現象を回避出来ることにもなる.従つて我々は極力採血後1週間以内のものを用いるように努めて来た.
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