Japanese
English
症例
Finalgon軟膏に依る関節痛に対する臨床経験
Clinical Experiments Against Joint-pain by Use of Finalgon Ointment
副島 義彥
1
Yoshihiko SOEJIMA
1
1九州大学医学部整形外科教室
1Department of Orthopedic Surgery, Kyūshū University School of Medicine
pp.709-713
発行日 1956年10月20日
Published Date 1956/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201868
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Ⅰ.緒言
慢性関節痛,即ちリウマチ様関節炎,変形性関節症,所謂五十肩等,或は又病因の明らかでない関節痛に対しては種々の治療,多種多様の薬物療法等,すでに現在迄枚挙するいとま無き感があり,又特に先に天児教授は上記疾患に対する局所薬物療法の意義を説いて居られ,Hydrocortison等張重曹水等の関節腔内注入に依り,相当の効果が認められているのであるが,実際治療するに当り,之等の患者の大部分は,その疾病の初期に於ては,日常生活に強い障碍を自覚せず,又注射時の疼痛や,通院の煩雑さを訴え,殆んど全治前に放置せる状態にあり,症状進行し障碍高度となつて後に,本格的治療を希望すると言う悪弊を痛感,現在迄臨床諸家に於て好んで用いられる罨法,温泉浴,超短波治療等にヒントを求め,手軽に使用治療可能の方法を考慮中,たまたま田辺製薬提供に依る毛細管を拡張し,皮膚温感器官を刺戟,体温を上昇せしむる作用のNonylic acid vanillylamide 0.4%,及皮膚中に滲透し,血管を拡張し,体温を上昇せしむる.薬理作用の,Ni—cotinic acid—β—butoxyethyl ester 2.5%,混合の2.9% Finalgon軟膏を,当教室外来患者の関節痛を主訴とする数種の疾患について,経験し,可成り良好の結果を得たのでこゝに報告する.
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