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皮膚疾患に対するアイロタイシン軟膏の経験
川村 太郎
1
,
上出 二郎
1
,
入山 益四郎
1
1金沢大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.631-634
発行日 1954年11月1日
Published Date 1954/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201294
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緒言
広く用いられて居る抗生物質はペニシリンを除くとその凡てが放線菌殊にStreptomyces属が産生するものである。
Ilotycin(Lilly)は1952年McGuireらがフィリピンPanay島の土壤標本から分離したStre-ptomyces erythreus(Waksman)の培養液から抽出した新抗生物質Erythromycinである。本剤も所謂broad-spectrum-antibioticsに属するものであるが,その抗菌スペクトルは連鎖状球菌及び肺炎双球菌に対し他の抗生物質に比して優れた抗菌力を有する点に特徴がある。(米国連邦安全部食糧藥品管理事務局。Antibiotics and Che-motherapy Vol.2 No11,1952)。又葡萄状球菌に対しても強い抗菌力を有し,他の或るものに対しても強力な抗菌力を発揮する(Powell et al1953)。本剤は既に諸家に依つて臨牀各科領域の葡萄状球菌症,淋菌性疾患,プルセラ症,連鎖状球菌性竝に肺炎菌性疾患,ヂフテリア等に試みられ,優れた成績が報告されて居る。
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