Japanese
English
症例
外傷に継発したCandida症の一治験例
A. successfull case in treatment of candida followind trauma
前原 三郞
1
,
高 舜琛
1
,
佐々田 武
1
,
眞継 猛
1
,
中島 重雄
1
1京都府立医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kyoto Medical Colloge
pp.705-708
発行日 1956年10月20日
Published Date 1956/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201867
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ペニシリンに引き続く諸種抗生物質の発見によつて幾多の難病も征服せられ,外科方面に於ても感染の危惧なく安んじて手術を行い得る様になつた.その反面之ら抗生物質の使用が普及し,それが広範囲に安易に投与せられる事に伴つて,副作用として最近アナフィラキシー症状を示して死亡した例が相次いで報告せられている.又不感受性菌属の菌交替現象に起因すると考えられる諸症状が現れることは夙に注目せられている事実である.
最近外傷後の感染に依つて広範囲な皮下蜂窠織炎を起し,強力に抗生物質を使用したがその効なく,甚だ重症となつて吾々の教室に入院した患者の血液からCandida菌を検出し,之を已知のCandida albicansによる凝集反応によつてCa—ndida症と診断し得て之を治療し,貴重な一命を救うと共に下肢切断の悲劇を免かれた症例を経験した.
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