綜説
Chlorpromazine(Wintermin)による術後疼痛の除去
陸川 容亮
1
,
行実 直美
1
,
高橋 司
1
1日大医学部第二外科
pp.179-183
発行日 1956年3月20日
Published Date 1956/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201781
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緒 言
手術後の疼痛は通常1〜2日間の僅かな期間にも拘わらず患者の肉体的精神的恢復に及ぼす影響は過小視出来難い問題である.それ故に現在まで多数の薬剤と投与法が本目的に応用せられ,日常利用するに事欠かない程ではあるが,尚此の種の研究が試みられているのは,「副作用がなく何れの症例にも完全に除痛効果を挙げる」と云う簡明な目的にすら合致する適当な薬剤が(或は投与法)数少いからである.
術後の疼痛が手術創の大小とは平行しないのは勿論であるが,その強さ持続等は手術部位,範囲,手技の巧拙,患者の疼痛に対する敏感度,忍耐力使用薬剤に対する適合性,年齢,性別等の諸要約により全く多種多様であつて,多くの症例に奏効する方法でも必ず効果不満足の症例に遭遇することは屡々経験する所である.
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