Japanese
English
症例
右上葉切除術後に早期に気管支瘻を併発した肺壞疽の1治驗例
A case of the Pulmonary Gangrene complicated Bronchialfistura in early stage after right Upper lobectomy
川村 正郞
1
S. Kawamura
1
1国立宮城療養所
1National Miyagi Sanatrium
pp.41-45
発行日 1956年1月20日
Published Date 1956/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201755
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まえがき
肺切除術後の合併症中,特に気管支瘻,膿胸は予後を不良ならしめる最大原因で,化学療法の併用によってもその根絶はむずかしい.最近菊池1)は肺結核における気管支瘻の閉鎖方法とその治癒機転について報告し,向井2)は肺葉切除術後の気管支瘻に対する有茎性筋肉弁閉鎖術40例の詳細な発表を行い,また杉内3)は肺結核に対する右上葉切除術後早期に気管支瘻を併発した2治験例を報告した.肺壊疽については名倉4)は肺切開術後に生じた気管支瘻の4治験例を,また曲直5)も肺切開術および肋骨切除後に生じた気管支瘻の2治験例を報告しているが,肺壊疽に対する肺切除術後の晩期気管支瘻に関しては高橋6)の報告があるだけで,早期気管支瘻については殆んど記載されていない.私は肺壊疽に対し右上葉切除術後,早期に大きな気管支瘻を併発した症例に対し胸廓成形術および筋肉弁充填を行い,治癒したと考えられる興味ある1症例を経験したのでここに報告する.
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