Japanese
English
綜説
薬物冬眠の外科的應用
The surgical application of pharmatical hiberntion
阿久津 哲造
1
,
甘利 重夫
1
,
高木 啓之
1
,
坂神 眞澄
1
,
佐藤 太一郞
1
Tetsuzo AKUTSU
1
1名古屋大学医学部第一外科学教室
1The Department of surgery, Nagoya University Medical School
pp.37-40
発行日 1956年1月20日
Published Date 1956/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201754
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所謂冬眠麻酔と称せられるものにわ2つの流れがある。即ち,麻酔の一型として低温を利用できたならば,臓器組織の酸素消費量は少くなり,人工心肺装置に頼らずbloodless heartに於て直視下に心臓内手術ができるようになるかもしれないと云う考えの下に,主として心臓及び大血管外科に於ける要望からアメリカに於て発達したのが所謂induced general hypothermiaであり,Bige—low及びSwan等によつて研究されて来た.
之とほゞ期を一にして,1951年フランスのLa—borit及びHuguenardはCannonのHomeos—tasie及びSelyeのStress概念から出発して,薬剤によつて植物神経系統を安静状態にし,生体にとつて或る場合には却て有害となる防禦反応を弱化せしめる目的で,物質代謝の亢進を抑制する試みを始め,更に全身冷却を加えて積極的に体温の低下,代謝の低下を企図し,hibernation arti—ficielleと名づけた.
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