Japanese
English
特集 慢性胃炎と胃潰瘍
潰瘍外科に於ける幽門前庭部機能
The function of antrum pyloricum in the ulcer surgery
中谷 隼男
1
Hayao NAKATANI
1
1東京逓信病院
1Tokyo Teishin Hospital
pp.555-564
発行日 1954年9月20日
Published Date 1954/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201495
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緒言
胃・十二指腸潰瘍症の原因,成因に就ての議論程旧くて又新らしいものはあるまい.而も疾患は極めて多く消化器病を対象とする医家の興味の中心をなすものである.成因に関しては直接には酸の分泌機序が最も重要な関係があることは言を要しないが,実際にはもつと広い立場から検討す可き問題であろう.殊に近代生活に於ける精神的の緊張或は過労等は無視することは出来ない.更にまた副腎或は脳下垂体等の内分泌系の異常な作用が潰瘍生成に重要な関係があることも推定しうる.即ち常に広い視野に立つて其の機序を考察することを忘れられてはならない.
考察の視野を更に絞つていくと分泌神経の異常興奮性とか,胃の各部機能等が問題となることになる.
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