最近の外國外科
手術時靜脈血圧の測定に関する研究,他
V. K. Pierce et al.
pp.544-545
発行日 1954年8月20日
Published Date 1954/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201492
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(Surg. Gyn. & Obst. 95:310-314, 1953)
著者等は手術時ショックの発見に術中直接法による静脈血圧を測定し併せて術中の出血量(重量法)及び術前,術中の循環血液量(Evans blue法)を計測して術中の循環系態度,必要な輸血量のよきIndicatorたらしめた.
実際出血に際し静脈血圧は動脈血圧の下降及び脈搏数の増加に先行して下降し適切な輸血が行われぬ限り正常閾に復しない.即ち静脈血圧の下降が顕著なときは動脈血圧及び脈搏が未だ何等のショック状態を現わしていない時期に於ても大量の輸血が必要である.又動脈血圧は輸血量が出血量に満たないうちに正常に復して了うが静脈血圧はこれを充分に補充し盡す迄は正常に復しない.要するに静脈血圧の測定は動脈血圧及び脈搏数の変化よりもショックの程度と出血量の評値に関しより鋭敏であり,ショック発見のよき指針である.
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