Japanese
English
症例
外傷性限局性癒着性脊髄膜炎の4症例
Four Cases of Meningitis adhesiva circum scripta traumatica
菊地 保成
1
,
高橋 哲男
1
,
武山 勝也
1
,
野崎 成典
1
,
奥茂 信行
1
Yasunari KIKUCHI
1
1札幌医科大学外科教室
1Surgical Department. SAPPORO Medical College
pp.527-531
発行日 1954年8月20日
Published Date 1954/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201487
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限局性脊髄膜炎とは,周知のごとく脊髄膜が炎症または外傷の結果,二次的に局所に種々の癒着,瘢痕,肥厚等を生ずるもので,その症状が脊髄腫瘍あるいは横断性脊髄炎と酷似し,以前はかなり稀れな疾患として取扱われ,多くは脊髄腫瘍の診断のものに手術されるか横断性脊髄炎として治療不能とみなされることが少くなかつた.しかし近年Myelographieの発達により本疾患の診断が比較的容易となり,また本邦において昭和11年前田,岩原教授の脊髄外科の宿題報告により一殻に注目され,決して稀有なものでなく,日常われわれがしばしば経験する重要な疾患であることが認識されてきた.
最近われわれは外傷をうけて一定期間無症状に経過し,漸次限局性脊髄膜炎の症状の著明になつてきた症例に遭遇し,これを観血的に治療し顕著な軽快をみた4症例を経験したので報告する.
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