Japanese
English
綜説
腹腔内異物遺残の本邦文献の統計的観察
Statistical observation for the japanese reports of remained foreign bodies in abdominal cavity
木下 公吾
1
,
井上 圭太郞
2
Kogo KINOSHITA
1
,
Keitaro INOUE
2
1久日市診療所
2國立広島病院
1Hiroshima-ken Hisakaichihospital
2Hiroshima National-hospital
pp.621-626
発行日 1953年11月20日
Published Date 1953/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201323
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細心の注意と最大の緊張の下に行われるべき手術,殊に開腹術に於て,ガーゼ・手術器械等が異物として腹腔内に遺残せられるとは,一寸考えられない事のようにも思われるが,欧米では相当数の報告があるものの如く,亦吾等も時に斯る事故の起りたる噂を耳にせぬでもない.本邦に於ける報告例が比較的少ないのは,一つには各位が一層の注意を以て手術に臨む賜であろうけれども,一つには種々の事情で報告を差し控える向もあるのではないかと思われ,実際の症例数はそれよりも梢々多いのではないかと愚考される.
吾々も最近,偶々その1例を経驗したので茲にその概略を報告し併て本邦文献の統計的観察を行つた.諸賢の御批判を仰ぐと共に自他誡心の資としたい.
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