Japanese
English
症例
胃潰瘍を伴った胃石の2治驗例
Two Cases of Phytobezoars associated with Stomach Ulcer.
岩月 賢一
1
,
百瀨 滋男
1
Kenichi IWATSUKI
1
,
Shigeo MOMOSE
1
1信州大学医学部星子外科
1Medical Faculty, Shinshu University
pp.477-480
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201299
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胃石は一般に比較的稀な疾患に属する.胃石の中では,毛髪塊よりなるものが最も多く,之に次いで果実や植物纖維からできた植物性結石があり,極めて稀には樹脂或いは藥物による結石も報告されている.植物胃石は,1854年Quainが剖檢例に於て偶然発見した椰子の実からなるものが嚆矢と云われ,吾が國では,1908年三宅(速)教授が藺草よりなるものを報告したのが其の初めである.植物胃石では柿にもとづくものが其の大半を占め,柿胃石については,1914年永富によつて初めて報告された.其の後漸次症例を増してきたが最近までに未だ100例を出ない.吾々は,最近相ついで,胃潰瘍を伴つた柿胃石の2例を経驗したので,茲に其の概要を報告すると共に,いささか文献的考察をこころみた.
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