特集 輸血・輸液の諸問題
血液保存期間に関する考察
浜口 栄祐
1
,
鳥居 有人
1
,
森田 信行
1
,
佐藤 功
1
1國立東京第一病院外科
1Some Investigations on the Blood Preservation Period. The First National Hospital of Tokyo
pp.389-395
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201278
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保存血液が如何なる変化を蒙むるかと云う問題は古くより研究されていたが1)2),血液銀行の普及した今日に於ては理論的興味の域を脱して実地臨床上の切実な問題となつた.保存血液の研究は次の2つの方面に大別出来る.第1は優秀な保存液の発見であり,第2は保存液添加血液が日を逐って如何に変化するかを詳細に追求することである.第1の問題はさておき,こゝでは第2の問題について私共の研究の結果の概略を報告する.
今日最も広く用いられているA.C.D.液添加血液は保存法が適当であれば約3週間,安全に使用出来るというのが定説である.しかし長く保存した血液は一應使用に堪えても,既に種々の変化を受け,利用價値が劣ることは言を俟たない.
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.