特集 上腹部外科臨床の進歩
急性膵臓炎
津田 誠次
1
1岡山大學
pp.579-591
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201123
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膵臟炎には急性症と慢性症とがある.慢性症は急性膵臓炎を経過して之に移行する場合と,始めから慢性に経過して急性発作の気附がれない場合とある。急性膵臓炎は又急性膵臓壊死とも称えられる.病理解剖学的には両者を区別し得るが,臨床的には不可能である.又炎症を伴わない急性膵臓壞死として発病しても,急性膵臓炎が合併し勝ちである.
軽症を急性膵臓炎といい,重症を急性膵臓壞死とゆうのはGulekeの意に反する.又急性膵臓壊疽とゆう名称は極く末期の重症例には適切であるが,一般的でない.
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