特集 上腹部外科臨床の進歩
胃癌の外科的療法
中山 恒明
1
1千葉大學
pp.573-577
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201122
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
既に読者諸兄の充分御存知の樣に医学の現段階に於ては胃癌の療法は少なくとも根治と云う意味では早期に完全な根治手術を施行する以外にはないのである.根治手術は在来は幽門部癌に対する幽門部切除に限られて居つたものであるが最近に於ては胃全剔出並に噴門切除が幽門切除と同樣に安全に施行せられる樣になつた.最近私が入手したメヨークリニークのスタフミイテングの報告にあつた同クリニークの胃癌切除手術の遠隔成績を記載してこれまでの大体の胃癌手術成績の基準と思はれる点を記載して諸兄の参考に供すると共に今後の手術成績の向上等に就いて,記する事とする.又本論文には1907年から1916年までの10年間,1940年から1949年までの10年間の比較が出て居るのでこの両載を見ると胃癌手術に於ける進歩を知る事が出来ると思う。尚お最近5ヵ年間に於ける尚お外科の成績も記載して見るつもりである.
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.