最近の外國外科
局所性廻腸炎手術の遠隔成績,他
J. H. Garlock et al.
pp.470-471
発行日 1952年9月20日
Published Date 1952/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201098
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著者たちは局所性回腸炎或は回腸結腸炎で手術した137例の患者の術後の経過を2〜14年間追求調査して,その結果を前に報告しているが,今度は更に126例の同患者を9〜21年間長期観察した結果に就て述べている.術後の再発率は局所性回腸炎で久しい以前に手術した者には徐々に増加していることが認められた.しかしその手術が徹底的のものでなく寧ろ姑息的のものであつた場合でも,患者は術後に可成長期間健康を保持しておることが判明した.その上回腸結腸吻合術を施した場合と回腸結腸切除を施した場合とに於てそれ等患者の死亡率や再発率に著しい差異のあることも分つた.回腸結腸吻合術の死亡率は皆無,又再発率の総計も22.8%であつた.これに反して回腸結腸切除術の死亡率は14%,再発率は46%であつた.術後に遅く発生する再発を調べると,再発は寧ろ少なく,寧ろ自然治癒する傾向を示めしている.これは本疾患が最初に有した毒性が自然に焼え盡されると云う様な感じを與える.著者たちの報告例中8例が術後数年に機械的腸閉塞で死亡しているが,その死亡発生率は他程疾患開腹術後に発生する死亡率と何等変りなく,特別にこれに多いことは考えられない.
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