Japanese
English
綜説
瘢痕性腸間膜炎の統計的観察及びその遠隔成績
A statistical and Remote Observation of Mesenteritis cicatricans
斎藤 圭
1
,
兼松 武雄
1
,
道岡 博
1
Kei SAITO
1
,
Takeo KANEMATSU
1
,
Hiroshi MICHIOKA
1
1岡山大學醫學部第一(陣内)外科教室
11st Surgical Dept., Faculity of Medicine, Okayama University
pp.333-337
発行日 1952年7月20日
Published Date 1952/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201051
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腸間膜瘢痕に関する研究は,その症例が相当に存在すると思われるにもかゝわらず,比較的少く,未だその本態に関する決定的な研究すらないような次第である.当教室の故石山教授及び額田等は種々なる腹部症状殊に頑固な便秘,或は下痢と便秘との交醋,又は原因不明の腹痛等を訴える慢性症,並びに急性腸閉塞等の手術に際し,他に明らかなる病変を認めず,唯,腸間膜に存在する陳旧性の瘢痕が原因をなしているものと考えられる症例22例を報告しているが,その本態は依然として不明なる点多きまゝ今日に及んでいる.
腸間膜に存在する限局性の瘢痕が原因となり惹起せられたと考えられる症例に関する記載は1853年VirchowがPeritonitis chronica mesenterialisと命名して発表したのが最初であるが,その後は各國において相当数の報告がみられる.しかしながらその瘢痕の成因,本態,症状等に関する記載は区々であり,学者間にも意見の一致をみていない.
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