Japanese
English
綜説
電撃傷の局所療法に対する臨床的並に実驗的研究
Clinical and Experimental Study for Local Treatment of Electro Strokes
小川 泰正
1
Yasumasa OGAWA
1
1慶應義塾大學醫學部外科學教室
1Surgical Department. University of KEIO
pp.327-332
発行日 1952年7月20日
Published Date 1952/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201050
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感電による局所障碍については,從来その外部から與えられる電気的要素による影響と,受ける生体の状態によつて,蒙る障碍も多種の様相を呈するものである.電気的要素として,電流による熱作用,電流通過による機械作用,電解作用等が挙げられ,更に時間的関係が考えられている.而して生体の状態として,皮膚の抵抗即ち身体部位,乾濕状態,皮下に存在する組織の種類が挙げられている.又蒙る局所障碍は極めて難治性であると云われ,特に電撃による傷害は治療に当つて,通常の熱傷の上に電気的要素が加味せられるから傷害度が大であろうという推測的治療が施され,Jellinek以来保存的治療が原則として取扱われて来た.私は教室の依田と同様,電撃による障碍を皮膚表面の傷害と主として電気エネルギーが深部組織に於て消費された場合の障碍との2つの面に分けて研究を進めて来た.私は電撃による局所障碍は他の一般の障碍に比較して,治療が遷延する事,及び四肢の壊死形成に対しての壞死分界線の比較的初期決定の困難なる事の2,3の問題について,臨床的並に動物実驗的研究を行い,その成績を報告する次第である.
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