Japanese
English
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大網膜畸形腫の1例
A Teratoma Grown in the Omentum Majus
中根 英夫
1
,
萬谷 嘉
1
Hideo NAKANE
1
,
Yoshimi BANYA
1
1北大醫學部三上外科教室
1Dept. of Surgery, Hokkaido Univ. Medical School
pp.581-582
発行日 1951年12月20日
Published Date 1951/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200942
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- Abstract 文献概要
私達が日常腹腔外科で経験する疾病の中で大網膜原発性疾病は稀有なものゝ1つであるとされている.Heitz—lerが大綱膜はgood samaritenであると述べている様に他臓器の疾病に対しては保護的に働くが其自身が病的となる事は,比較的稀である.大網膜疾病中炎症性腫瘍軸捻轉,外傷等が主なもので眞の原発性の大網膜腫瘍は少い.更に腹腔内臓の関係が複雜な事,臨床上腫瘍とされるものが可成り多い事などは,術前の正確な診断を困難ならしめている.即ち術後に確診がつけられる事が極めて多い.
Samonは1934年までの大網膜原発性は75例であると云う.本邦文献で私達の見た範囲では68例で其種別は肉腫,嚢腫,皮様嚢腫などで惡性腫瘍である畸形腫の報告は未だなされていない.
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