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後腹膜畸形腫の1例
畑 弘道
1
1東東警察病院皮膚科泌尿器科
pp.31-34
発行日 1952年1月1日
Published Date 1952/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200658
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緒言
後腹膜に發生する畸形腫は稀に見られる。臨床上,初めから畸形腫と診斷される事は稀で,種々の検索を行うも尚,漠然と腹部腫瘍として手術し或は又,不明の儘死亡し剖検に依り初めて,其の實體を知る場合が多い。一般に,畸形腫は種々の部分,例えば頭部,胸腔,脊椎管,腹腔,仙骨部腦下垂體,生殖腺等にみられるが,大半は腹腔内に見出され,此の殆んど總てが泌尿生殖器系統に關係を有し,殊に女子の卵巣は好發部位と述べられている。
著者は生後3ヵ月の女子に先天性水腎を思わせたる右後腹膜畸形腫の1例に遭遇し,手術を施行し,剔出したる腫瘍が畸形腫なることを確める機會に惠まれたので,症例追加の意味で報告せんとする次第である。
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