Japanese
English
外科と病理
原発性十二指腸癌の1剖檢例
An Autopsy Case of Carcinoma of the Ampulla of Vater
黑羽 武
1
,
古川 弘平
1
,
斎藤 信一
2
Takeshi KUROBANE
1
,
Kohei FURUKAWA
1
,
Shinichi SAITO
2
1東北大學醫學部病理學
2東北大學醫學部武藤外科
1Pathological Dept. of Tohoku Univ.
2Surgical Dept. of Tohoku Univ.
pp.435-436
発行日 1951年9月20日
Published Date 1951/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200893
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手術をしても納得のゆかぬ場合がありますが,病理解剖により始めて教えられる症例があると思います.この欄はそうした症例を掲載して墾ります.御寄稿を歡迎します.(編集部)(400字詰10行以内)
膵臟の全摘出又は亞全切除は抜術上極めて困難視されていたが,Whipple,Brunschwig,Trimble,Priestley,Stevens,Dixon,Miller氏等の大胆な試みに依て膵臟頭部癌や十二指腸癌の根治手術が有望となり,吾國でも近時漸くこの方面に関心が寄せられている.臨床的に原発性十二指腸癌は最も診断の困難な疾病の一つに数えられるが,Egerは其の理由として固有症状の無いことと,頻度に乏しいことを挙げ,特に後者を重要視した.然し剖檢資料から見れば,さほど珍奇とするには足りないし長與,阿部哲),吾國の症例報告も既に50例の多きに達している.問題は症例の選択と早期発見の如何にあるのであつて,米國の成果をただ表面的にのみ観察しないことが望ましい.過去の経驗から1例を抽出して反省を試みる.
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