Japanese
English
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脳下垂体移植手術に就て
Grefting Operation of the Pituitary Body
橫田 浩吉
1
,
宇山 理雄
1
Hiroyoshi YOKOTA
1
,
Toshio UYAMA
1
1京都府立醫科大學
1Surgery the Kyotofuritsu Medical College
pp.254-258
発行日 1950年5月20日
Published Date 1950/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200647
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脳下垂体移植に関する研究は内外文献を通じBiedlを始めとして多数見られるが,何れも動物実驗の域を出ず,此を臨床的に應用した報告例は極て尠い.BergmannとSauerbruchは脳下垂体性羸痩症の患者に牛又は犢の脳垂(以下脳下垂体を脳垂と略記す)を大網膜或は睾丸に移植し,K. Ehrhardと C. Kittel(1937)は脳垂機能障碍を有する患者に大網膜及び筋肉内に犢の脳垂を移植し夫々1カ年有効であつたと報告し,C. EhrhardとH. Wierbarderは脂肪生殖器性発育障碍の患者に牛の脳垂を移植し移植後6〜10日後に再び剔出すると云う治療方法を用ひて定期的の月経の来潮を見たと報告している.本邦に於ては余等が日本外科学会総会(1943)に於て脳垂移植による脳垂性羸痩症の治療に就て発表したのを嚆矢とし,其の後2,3の報告を見るが脳垂移植に関する信頼すべき手術手技並に其の効果に就て発表したものを見ない.余等は共の後数例のBergmann氏型脳垂羸痩症又はSimmonds氏病型の患者に就て牛又は犢の脳垂の移植を試み下記の如き満足すべき結果を得たので,亦各方面から移植の手術手技に関し問ひ合せに接したので此処に発表し諸賢の御追試を乞う次第である.
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