研究報告
頸動脈毬剔出術の間腦アセチールコリン含量に及ぼす影響
眞鍋 茂良
1
1廣島医大上村外科
pp.43-45
発行日 1950年8月15日
Published Date 1950/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905533
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.緒言
近時我國に於て頸動脈毬の外科として本毬剔出が諸種疾患に著効ありとして盛んに論義され,主として臨床方面よりの研究がなされつつあるが未だ基礎的実驗的根拠に至りては甚だ乏しといわざるべからず.
今此れを文献的に見ればHeller(1743)の本毬発見以來Luschka, Kohn, Müller, Retke,Fischer等主として解剖学的究明をなせるも,此れが生理的機能に就きて解明せるはHering,Heyman de Castroなり.Hering(1924)は彼の竇反射を提唱し竇神経の求心路を経て血管運動神経中枢に常時緊張的に作用しトーヌスを維持すると述べ,次でHeyman de Castro(1924〜1927)は所謂化学感受帯を発見呼吸反射を附記せり.更にFleisch, Heymanは腹部臓器血管運動神経トーヌスに,Kochは睡眠中枢に,Rein Lübermeisterは甲状腺機能に関與するを述べたり.Danielpolou(1929)は洞部機能に胃腸蠕動運動調節作用あるを認め且洞部刺戟に依りて血中カルシユム,カリウム,コリン含量の変動を招來するとなし,全植物神経系の緊張度にも変化を與えると云えり.
Copyright © 1950, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.