臨牀講義
肺膿瘍を合併せる赤痢アメーバに因る横隔膜下膿瘍
河合 直次
1
,
香月 秀雄
1
1千葉醫科大學
pp.30-33
発行日 1947年4月25日
Published Date 1947/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200201
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疾病の診斷に當つて大切な事は,先づ患者の病歴及び現症に依り考へ得らるべき病氣の名を順序よく念頭に想ひ浮べながら最も必要な檢査から始めて可及的患者に負擔をかけることを少くして早く正しい診斷に到達することである。從つてそれにより適切な治療を施すことが可能となるのである。
本日私が特に諸君の注意を喚起したいのは今次戰爭に依り,海外の各地から種々の傳染病が日本内地に流れ込んだことである。即ち外科では今迄左程注意が拂はれなかつた「マラリヤ」,「アメーバ赤痢」の樣な傳染病が終戰後到る所に見られる樣になり,從つて外科でもこれに對して無關心であり得ないやうになつた。診斷に際しては特に是等の點を念頭に於いて大に警戒せねばならぬ。
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