特集 上腹部外科臨床の進歩
横隔膜下膿瘍
植草 実
1
,
遠藤 博
1
1慶應義塾大學醫學部外科學教室
pp.665-670
発行日 1952年11月10日
Published Date 1952/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201130
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横隔膜下膿瘍は主に腹部内臓の炎症性疾患に合併乃至続発する重篤な上腹部外科的疾患の一つとして古くから知られている.一般に稀ではあるが剖檢によつて初めて知るものもあり,普通想像するよりは遙かに多いのではないかと考えているものもある.屡々初発病巣が不明で,その上臨床症状にも不定のことがあつて診断困難なものが少くない.而もその局所解剖学的関係が複雜で時には膿瘍に到達し難いことがあり,治療も常に容易ではない.診断技術,化学療法が発達した今日に於ても,この方面には明かな進歩はみられていない.またわが國では多数例に就ての報告がないが,諸家の記述,慶大外科臨床例を基として,主にこれらの点に就て考察してみたい.
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