増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅳ 術中・術後合併症とその管理
7.感染系・その他
各種耐性菌による感染症
橋本 章司
1
Shoji HASHIMOTO
1
1大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター感染症内科
pp.330-337
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200071
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
最近の知見と重要ポイント
□院内耐性菌の主役のMRSAでは,感染症発症と重症化の予防,および感染臓器・薬剤感受性と合併病態に基づく適切な抗MRSA薬の選択と効果的な投与が重要である.
□市中の腹腔内感染症の主役の腸内細菌科(大腸菌・肺炎桿菌など)と嫌気性菌(バクテロイデス属など)でも各種β-ラクタマーゼを産生する耐性菌が増加し,スルバクタム/アンピシリン(SBT/ABPC),クリンダマイシン(CLDM)やセフメタゾール(CMZ)を初期治療の第一選択では使いにくくなっている.
□カルバペネマーゼ産生菌が院内の緑膿菌やアシネトバクターから市中の腸内細菌科に拡大し,これら多剤耐性菌の迅速な検出と,伝播・感染症発症の予防が重要である.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.