Japanese
English
臨床報告
左側にS状結腸が嵌頓した両側Spigelヘルニアの1例
A case of bilateral Spigelian hernias with incarceration of the sigmoid colon in the left side
杉田 静紀
1
,
平松 聖史
1
,
佐伯 悟三
1
,
雨宮 剛
1
,
後藤 秀成
1
,
新井 利幸
1
Shizuki SUGITA
1
1安城更生病院外科
キーワード:
Spigelヘルニア
,
半月状線ヘルニア
,
白線ヘルニア
,
両側
,
嵌頓
Keyword:
Spigelヘルニア
,
半月状線ヘルニア
,
白線ヘルニア
,
両側
,
嵌頓
pp.1145-1147
発行日 2014年9月20日
Published Date 2014/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105191
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は74歳,女性.2日前から排便時の左下腹部膨隆,疼痛を自覚した.改善しないため当院を受診した.左鼠径部,外鼠径輪よりやや頭側に圧痛を伴うピンポン球大腫瘤様の膨隆を認め,腹部CT検査では左腹直筋外縁にヘルニア門を形成し,S状結腸が脱出していた.右側にもヘルニアの形成と脂肪織の脱出を認めた.両側Spigelヘルニアと診断した.左側は結腸が嵌頓していたため,緊急手術を行い,メッシュプラグ法にて左側の修復を行った.術後経過は良好である.右側は脂肪織の脱出のみで無症状であるので,経過観察としている.Spigelヘルニアは腹壁ヘルニアの0.1~2%と稀な疾患であり,特に両側かつS状結腸嵌頓症例は稀ではあるが,下腹部痛,腹部の腫瘤様の膨隆を主訴とする疾患の鑑別では念頭に置くべき疾患である.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.