Japanese
English
特集 漢方を上手に使う―エビデンスに基づいた外科診療
外科における漢方の現状と展望
Herbal medicines in surgery―Its present status and perspective
宮崎 勝
1
Masaru MIYAZAKI
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
pp.1279
発行日 2013年11月20日
Published Date 2013/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104827
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わが国においては,江戸時代の蘭方(学)に対して中国医学は漢方と呼ばれるようになり,100年以上が過ぎた現在,外科領域においても漢方の治療成績がエビデンスをもって報告されるようになってきている.
昭和51年(1976年)に漢方薬の薬価が初めて保険収載されるに至ってから37年が経つ.外科診療の日常臨床でよく知られるところとなった漢方薬は大建中湯,六君子湯,茵陳蒿湯,十全大補湯などが挙げられる.特に大建中湯1,2)や六君子湯3)の消化管蠕動促進効果は,開腹術後のイレウスを予防することがわが国より多く報告されており,欧米においてもその効果が期待され,現在臨床試験が進められているところである.また,茵陳蒿湯の閉塞性黄疸症例に対しての減黄促進効果も報告され4),様々な病態に対しての黄疸軽減効果が今後注目されてくるところであろう.
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