Japanese
English
臨床報告
転移性心臓腫瘍の1例
A metastatic cardiac tumor in the right ventricle: report of a case
久貝 忠男
1
,
摩文仁 克人
1
,
阿部 陛之
1
,
山里 隆浩
1
,
仲里 巌
2
Tadao KUGAI
1
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター・心臓血管外科
2沖縄県立南部医療センター・こども医療センター・病理
キーワード:
転移性心臓腫瘍
,
腎癌
,
縦隔リンパ節転移
Keyword:
転移性心臓腫瘍
,
腎癌
,
縦隔リンパ節転移
pp.1103-1106
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104724
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要旨
症例は69歳,男性.11年前に早期腎癌で左腎摘出術を受け,術後の補助療法は行わなかった.今回,胸部圧迫感で冠動脈造影を施行したところ,右冠動脈を栄養血管とする腫瘍濃染を認めた.胸部CT検査では,右房・右室の房室間溝から右室を圧迫する充実性の腫瘤が心外膜下に認められた.体外循環下に腫瘍を完全に切除した.病理で腎癌の心臓転移と診断し,分子標的治療を行ったが,術後1年10か月目に腫瘍関連にて死亡した.腎癌の転移様式は下大静脈から連続性に血管内進展することが多く,自験例のようなリンパ行性と思われる心外膜への遠隔転移は稀である.また,早期腎癌が11年目に心臓転移したこともきわめて興味深いため報告する.
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