Japanese
English
臨床報告
腹部刺傷後腰動脈に発生した仮性動脈瘤の1例
A case of a lumbar arterial pseudoaneurysm resulting from an abdominal stab wound
二宮 卓之
1
,
青木 秀樹
1
,
清田 正之
1
,
金谷 信彦
1
,
武田 正
1
,
竹内 仁司
1
Takayuki NINOMIYA
1
1国立病院機構岩国医療センター外科
キーワード:
腹部刺傷
,
腰動脈損傷
,
仮性動脈瘤
Keyword:
腹部刺傷
,
腰動脈損傷
,
仮性動脈瘤
pp.1107-1112
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104725
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要旨
症例は63歳,女性.自殺企図で腹部に刺傷を負い,当院へ搬送された.出血性ショックのため十分な画像検索を行うことができず,緊急手術を施行した.小腸損傷とTreitz靱帯の尾側,腰椎の左側に後腹膜損傷を認め,周囲に広範な後腹膜血腫を伴っていた.小腸部分切除と止血術を行った.術後4日目の腹部造影CTで,左第4腰動脈に仮性動脈瘤を認めた.血管造影検査を行い,仮性腰動脈瘤に対しコイル塞栓術を施行した.仮性腰動脈瘤は腹部外傷後や医原性にごく稀に発生することが知られているが,腹部刺傷後に発生した例はわが国では報告がない.鋭的腹部外傷後に本疾患が発生する可能性を考慮する必要があると考えられた.
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