Japanese
English
臨床報告
前仙骨部epidermoid cystに発生した扁平上皮癌の1例
A case of squamous cell carcinoma arising in presacral epidermoid cyst
経田 淳
1
,
萩野 茂太
1
,
芳炭 哲也
1
,
岩田 啓子
1
,
桐山 正人
1
,
高川 清
2
Atsushi TSUNEDA
1
1黒部市民病院外科
2黒部市民病院病理部
キーワード:
epidermoid cyst
,
前仙骨部腫瘤
,
developmental cyst
,
扁平上皮癌
Keyword:
epidermoid cyst
,
前仙骨部腫瘤
,
developmental cyst
,
扁平上皮癌
pp.1078-1081
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104719
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要旨
症例は64歳,男性.近医にて肛門周囲膿瘍の診断で加療を受けたが改善せず,当科を紹介された.骨盤部MRI検査で9×7cm大の壁不整な囊胞性腫瘤を認めたため,ドレナージを施行した.その後,腫瘤は6×3cm大にまで縮小したが,感染性epidermoid cystを疑い腫瘤摘出術を施行した.病理組織学的所見では,囊胞壁は重層扁平上皮からなり皮膚付属器は認めず,epidermoid cystと診断した.しかし,その一部に浸潤像を伴う扁平上皮癌を認めた.剝離断端は陰性であったが播種の可能性も否定できなかったため,63Gyの放射線治療を行った.術後1年経過した現在,再発徴候は認めていない.前仙骨部epidermoid cystの悪性化は非常に稀ではあるが,その可能性も念頭に置き,速やかな切除と完全切除を行うべきであると考えられた.
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