Japanese
English
臨床経験
移動性を有した脊柱管内epidermoid cystの1例
A Case Report of Mobile Epidermoid Cyst in the Lumbar Spine
山崎 健
1
,
遠藤 威
1
,
村上 秀樹
1
,
小成 嘉誉
1
,
嶋村 正
1
Ken Yamazaki
1
1岩手医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Iwate Medical University
キーワード:
mobile spinal cord tumor
,
移動性脊髄腫瘍
,
epidermoid cyst
,
類上皮嚢腫
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
mobile spinal cord tumor
,
移動性脊髄腫瘍
,
epidermoid cyst
,
類上皮嚢腫
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.1137-1140
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902534
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抄録:症例は40歳女性,主婦.数年前より腰殿部痛および下肢痛を自覚した.27歳時,腰椎麻酔下に帝王切開を受けた既往がある.下肢痛が増強し歩行困難となったため当科を紹介されて受診した.脊髄造影により第3,第4椎間板高位を約2cm上下に移動する騎袴状陰影欠損を認めた.MRIでは腫瘍像はT1,T2強調像において,いずれも高輝度を呈し,造影MRIでは造影されなかった.硬膜内腫瘍の診断にて,第3腰椎椎弓の縦割展開,椎弓再建術を併用して腫瘍摘出を行った.腫瘍は一本の馬尾の周囲から発生し,馬尾を巻き込み,淡黄色で,楕円状の被膜を有する弾性軟の腫瘍であった.腫瘍は馬尾の弛緩を伴い2cm移動した.病理組織はepidermoid cyst(類上皮嚢腫)であった.術後2年の現在,腰殿部痛,下肢痛は消失している.腰椎に発生し,原因が腰椎穿刺と考えられ,移動性を有する稀なepidermoid cystの1例を報告した.
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