胃癌手術のロジック―発生・解剖・そして郭清≪番外編≫
―Letter to Authors―「背側膵と腹側膵の膵頭部における占拠部位について」
阪本 良弘
1,2
,
大山 繁和
3
,
篠原 尚
4
1東京大学医学部肝胆膵外科
2東京大学医学部人工臓器・移植外科
3金沢医療センター外科
4虎の門病院消化器外科
pp.1068-1070
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104715
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「胃癌手術のロジック」第5回(68巻3号,314~323頁)“膵の形成と固定”について,膵頭部の発生学的な構造を含めた解剖の図解を興味深く拝読しました.本稿は膵頭部内の解剖や胃癌手術の理解に非常に助けになると思います.さて,本稿では一貫して膵頭下部や膵鉤部が腹側膵原基由来として描かれていますが,実際は背側膵原基由来の場合が多いと考えられます.
膵頭部の前面や膵鉤部にはSantorini管の枝が多く分布し,背側膵原基由来であることがTakahashiら1)の剖検例15例を用いた研究で示されています.Santorini管とWirsung管の癒合点はTakahashiらが2つに分類していますが,どちらの場合でも膵頭下部や膵鉤部にはSantorini管の下行枝が分布しています.
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