Japanese
English
特集 膵瘻の予防・治療のノウハウ
膵鉤部切除における膵液漏出,膵瘻とならないための工夫—膵鉤状突起,腹側膵の位置ならびに構成要素と関連して
Pancreatic leakage after resection of uncinatus process with reference to the position of uncinatus process
高田 忠敬
1
,
安田 秀喜
1
,
天野 穂高
1
,
吉田 雅博
1
,
内田 豊彦
1
,
須田 耕一
2
,
高橋 徹
3
Tadahiro TAKADA
1
1帝京大学医学部第1外科
2順天堂大学医学部病理学
3東北大学加齢医学研究所病態臓器構築研究分野
キーワード:
鉤状突起
,
腹側膵
,
背側膵
Keyword:
鉤状突起
,
腹側膵
,
背側膵
pp.451-457
発行日 1997年4月20日
Published Date 1997/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902690
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
膵液漏出,膵液瘻とならないための工夫には,切除部位の解剖学的位置関係を知る必要がある.膵鉤部は解剖学的用語ではなく膵頭の左下から上腸間膜静脈の背側に伸びる鉤状突起を指していると考える.膵頭と鉤状突起は腹側膵と背側膵が癒合し,膵頭では腹側膵が後部に,背側膵が前部に存在する.鉤状突起は腹側膵のみで構成されるものと,腹側膵が頭側約2/3を,背側膵が足側約1/3を構成する2つのタイプがある.両原基のdrainage ductであるWirsung管と分枝,Santorini管と分枝は,膵頭では後部と前部に走行している.鉤状突起では頭側はWirsung管の分枝が走行し,足側はSantorini管の分枝が走行している.これらの解剖学的特徴を理解することが合併症予防に最も大切である.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.