必見! 完全体腔内再建の極意・4
―胃全摘術後再建―Overlap法―通常の胃全摘の場合の食道空腸吻合
河村 祐一郎
1
,
須田 康一
1
,
佐藤 誠二
1
,
宇山 一朗
1
Yuichiro KAWAMURA
1
1藤田保健衛生大学上部消化管外科
pp.814-821
発行日 2013年7月20日
Published Date 2013/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104647
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■■はじめに
体腔内での食道空腸吻合の手技は,サーキュラー・ステイプラーを用いる方法とリニア・ステイプラーを用いる方法に大別される.Overlap法はリニア・ステイプラーを用いた体腔内再建法としては最初に導入された方法である.近年は,サーキュラー・ステイプラー法や機能的端々吻合法(functional end-to-end anastomosis:FEE法)を応用した方法がより簡単に施行できるようになり,普及しているものと思われる.一方,overlap法は共通孔の閉鎖を手縫いで行うため,他の吻合法と比較すると若干手術時間が延長し,やや煩雑である.しかし,食道浸潤例での胸腔内吻合や,挙上空腸に緊張がかかった場合でも比較的実施しやすい技法であり,汎用性は高い.
通常の吻合でこの手技に慣れておけば,いざ高位吻合が必要となる場合でも対処が容易となるため,習得しておきたい手技と思われる.
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