Japanese
English
臨床報告
脾血管腫類似病変として新たに分類されたsclerosing angiomatoid nodular transformationの1例
A case of sclerosing angiomatoid nodular transformation newly classified as a similar lesion to a splenic hemangioma
岡 ゆりか
1
,
藤本 康二
1
,
小柴 孝友
1
,
坂野 茂
1
,
東山 洋
1
,
山本 正之
1
,
伊藤 利江子
2
Yurika OKA
1
1神鋼病院外科
2神鋼病院病理部
キーワード:
sclerosing angiomatoid nodular transformation
,
脾血管腫
,
炎症性偽腫瘍
,
脾臓摘出術
Keyword:
sclerosing angiomatoid nodular transformation
,
脾血管腫
,
炎症性偽腫瘍
,
脾臓摘出術
pp.715-719
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104615
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は45歳,女性.子宮筋腫の術前検査で施行した腹部単純CTで,脾上極に腫瘤を認めたため精査目的で当科へ紹介された.造影CTおよびMRI検査で脾上極に57×46 mmの辺縁から徐々に濃染する腫瘍を認めた.FDG-PET検査でFDGの軽度集積(SUVmax:2.98)を認め,悪性腫瘍の可能性も考えられたため,開腹下に脾臓摘出術を施行した.病理組織学的には線維芽細胞,リンパ形質細胞の浸潤により形成される線維性間質とその中心に血管腫様の結節を認め,血管内皮細胞の免疫組織化学的マーカーであるCD31,CD34陽性であり,sclerosing angiomatoid nodular transformation(SANT)と診断された.SANTは近年新しく分類された良性の脾腫瘍で,わが国での報告例はいまだ少ない.以前から報告されている脾炎症性偽腫瘍と臨床的にも病理組織学的にも類似している点が多く,非常に興味深いため文献的考察を加えて報告する.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.