Japanese
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臨床研究
当院における膵癌術中洗浄細胞診陽性例の検討
Clinical significance of peritoneal cytology in pancreatic cancer
足立 尊仁
1
,
松井 聡
1
,
波頭 経明
1
,
山田 誠
1
,
松井 康司
1
,
伊藤 元博
1
Takahito ADACHI
1
1岐阜市民病院外科
キーワード:
術中洗浄細胞診
,
膵癌
Keyword:
術中洗浄細胞診
,
膵癌
pp.1563-1566
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104397
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要旨
膵癌における腹膜再発率は17~41%とされている.当院でも23.3%の腹膜再発を認めている.当院で2007~2009年に切除された浸潤性膵管癌32例のうち,術中腹腔洗浄細胞診を施行した28例を対象に,腹膜転移と予後につき検討した.CY陽性例は7例(25%)であった.腹膜再発との相関については,単変量解析でCY(p=0.034)とRP(p=0.036)が有意差を認め,ly2(p=0.056),S(p=0.080)とR1,2(p=0.090)が有意な傾向を示した.多変量解析では,いずれの因子も有意差は認めなかった.予後との相関は単変量・多変量解析において,いずれの因子も有意差を認めなかった.CY陽性/陰性例の1年生存率は71.4/61.9%と有意差は認めなかった.切除可能膵癌におけるCY陽性例は,より進行した症例(fStage Ⅲ,Ⅳ)であるため独立した予後因子とはならなかったが,腹膜再発に対しては有効な予測因子となりうることが示された.
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