書評
加納宣康(監修)/三毛牧夫(著)「腹腔鏡下大腸癌手術―発生からみた筋膜解剖に基づく手術手技」
森谷 冝皓
1
1日赤医療センター・大腸肛門外科
pp.1541
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104390
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このほど『腹腔鏡下大腸癌手術―発生からみた筋膜解剖に基づく手術手技』が,書評依頼付きで腹腔鏡下手術の経験のない私に送られてきた.戸惑ったが精読してみた.
本書の中心を流れる三毛手術哲学の特徴は,血管や臓器の細部に言及する従来の系統解剖に手術手技の理解の基礎を求めるのではなく,optical technologyの進歩により可能となった筋膜構造の視認に腹腔鏡下手術の基礎を置く臨床解剖の重要性を一貫して主張しているところにある.発生学からみた筋膜構造に重点が置かれた初めての手術書であろう.
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