特集 外科医のための癌診療データ
臓器別最新データ
4.食道癌
食道癌の疫学
大木 進司
1
,
竹之下 誠一
1
Shinji OHKI
1
1福島県立医科大学器官制御外科学講座
pp.90-96
発行日 2012年10月22日
Published Date 2012/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104298
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覚えておきたいデータ
◆食道癌の罹患数は年々,増加傾向にある.年齢調整罹患率の年次推移は男性では1975年から緩やかに増加し,女性では横ばいである.年齢調整死亡率の年次推移は男性でほぼ横ばい,女性で減少傾向である.
◆男女比は6:1で,占拠部位は胸部中部食道が51.6%と最も多く,組織型は扁平上皮癌が92.9%であり腺癌は少ない.同時性重複癌は7.4%,異時性重複癌は10.2%と報告されており重複臓器としては胃,頭頸部,大腸,肺の順に多い.
◆国際比較において年次別年齢調整罹患率では男性の場合,1998~2002年の5年間の推計に限って比較するとアジア地域(日本,中国)やフランスで高い傾向があるが,これらの地域も年次推移ではいずれも横ばいから減少傾向である.年次別年齢調整死亡率は1999~2003年の5年間の推計で,男性では28か国中5位で年次推移では横ばい,女性は28か国中14位で年次推移では減少傾向である.
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