Japanese
English
臨床報告
コカ・コーラによる溶解療法中に嵌頓による小腸イレウスを起こした柿胃石の1例
A case of diospirobezoars which caused obstruction of the small intestine due to impaction during dissolution therapy with Coca-Cola
柴田 孝弥
1
,
三井 敬盛
1
,
全並 秀司
2,3
,
柄松 章司
1
,
杉浦 博士
1
,
西田 勉
1
Takahiro SHIBATA
1
1豊川市民病院外科
2名古屋市立東部医療センター
3守山市民病院外科
キーワード:
胃石
,
コーラ
,
イレウス
Keyword:
胃石
,
コーラ
,
イレウス
pp.939-944
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104157
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要旨
患者は83歳,男性.腹痛と嘔吐のため入院した.精査で胃石の嵌頓による小腸イレウスと診断し,コカ・コーラによる溶解療法を試みた.胃石の分解がみられたがイレウスは改善せず,腹膜炎所見が出現したため緊急手術を施行した.落下した胃石が小腸に嵌頓しており,小腸を切除した.切除腸管は潰瘍と虚血性壊死を認めた.コーラによる胃石溶解療法は簡便で有効な治療法であるが,嵌頓胃石によるイレウスでは腸壁の循環障害が生じている可能性があるため,つねに緊急手術の可能性を念頭に置くことと,コーラによる溶解療法の適応は慎重に判断することが重要と考えられた.
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