Japanese
English
臨床報告
肝門部圧排をきたしたアメーバ肝膿瘍の1例
A case of a amebic liver abscess with compression of the hepatic portal region
石田 隆志
1
,
赤松 延久
1
,
駒込 昌彦
1
,
山崎 信義
1
,
小澤 文明
1
,
小高 明雄
1
Takashi ISHIDA
1
1埼玉医科大学総合医療センター肝胆膵外科・小児外科
キーワード:
赤痢アメーバ
,
アメーバ肝膿瘍
,
肝不全
,
肝門部圧排
,
肝機能補助療法
Keyword:
赤痢アメーバ
,
アメーバ肝膿瘍
,
肝不全
,
肝門部圧排
,
肝機能補助療法
pp.720-726
発行日 2012年5月20日
Published Date 2012/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104090
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要旨
患者は44歳,男性.発熱と腹痛で前医を受診し,尾状葉の3cmの肝膿瘍と診断された.穿刺ドレナージが施行されたが膿瘍は急速に増大し,肝機能が増悪し,腎不全,呼吸不全に陥ったため,前医受診から14日目に当科に救急搬送された.転院時はSIRSの状態で,T-Bil 7.3mg/l,PT-INR 2.04,CRP 18.9mg/dlであった.転院後にT-Bil 13.8mg/l,PT-INR 2.34と,さらに肝不全は進行した.CTでは膿瘍が肝門部を取囲むように直径13cmにまで増大し,門脈が圧排されていた.ドレナージチューブを大径化して血漿交換を施行した.膿瘍液の鏡検でE. histolyticaを確認したため,アメーバ肝膿瘍の診断のもとメトロニダゾールを開始した.その後,膿瘍は急速に縮小し,全身状態も著明に改善して救命できた.
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