Japanese
English
臨床報告
一期的縫合閉鎖が有効であった食道穿孔の2例
Two cases of esophageal perforation treated by primary closure
喜多 芳昭
1
,
松本 正隆
1
,
内門 泰斗
1
,
奥村 浩
1
,
大脇 哲洋
2
,
夏越 祥次
1
Yoshiaki KITA
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科腫瘍学・消化器・乳腺甲状腺外科学
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科離島へき地医療人育成センター
キーワード:
食道穿孔
,
アカラシア
,
有鉤義歯
Keyword:
食道穿孔
,
アカラシア
,
有鉤義歯
pp.715-719
発行日 2012年5月20日
Published Date 2012/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104089
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要旨
症例1は77歳,男性.糖尿病,高血圧,脳梗塞,脳出血の既往があった.食道アカラシアの診断で食道バルーン拡張術を施行したところ食道穿孔が生じ,食道穿孔部粘膜閉鎖ドレナージ術+アカラシア手術(Heller-Dor手術)を行った.症例2は60歳,女性.統合失調症で,入院中に義歯の紛失が判明し,胸部X線検査で頸胸境界部に義歯を認めた.内視鏡で義歯を胃内に落として引き上げる際に食道を損傷し,食道穿孔と診断されて当院へ搬送された.手術は,右開胸開腹食道異物摘出術,食道穿孔部閉鎖,洗浄ドレナージ,腸瘻造設術を行った.食道穿孔の治療方針は多岐にわたるが,食道穿孔部位が確認でき,穿孔部の状況が良好であれば,一期的縫合閉鎖も選択肢の1つであると考えられた.
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