Japanese
English
臨床報告
胃潰瘍穿孔に対して穿孔部を腹直筋後鞘で被覆した1例
A case of perforated gastric ulcer repair using posterior rectus abdominis sheath layer
田中 友理
1
,
梶川 真樹
1
,
森本 大士
1
,
高瀬 恒信
1
,
中山 茂樹
1
,
矢口 豊久
1
Yuri TANAKA
1
1愛知県厚生連海南病院外科
キーワード:
穿孔性胃潰瘍
,
穿孔部被覆
Keyword:
穿孔性胃潰瘍
,
穿孔部被覆
pp.702-705
発行日 2012年5月20日
Published Date 2012/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104085
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要旨
患者は61歳,男性.アルコール性肝硬変で当院の内科に通院中であった.数日前から続く吐血で受診し,採血で著明な貧血を認めたため上部消化管内視鏡検査を施行した.胃体部前壁に出血性潰瘍を認めたため,焼灼術で止血処置を行った.翌日の検査直後に腹部膨満感と腹痛が出現し,腹部CT検査で多量の腹腔内遊離ガスを認めたため,胃潰瘍穿孔と診断して緊急手術を施行した.腹腔内には大量の腹水と,胃体部小彎から前壁にかけて穿孔部位を認めた.大網および肝円索は著明に萎縮して授動が困難であったため,腹膜および腹直筋後鞘を有茎弁として穿孔部を被覆した.腹直筋後鞘を用いて被覆し,良好な経過をたどった1例を経験した.
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