Japanese
English
特集 腹腔鏡下の腹部救急疾患診療
十二指腸潰瘍穿孔に対する腹腔鏡下手術—大網被覆と腹腔内洗浄
Laparoscopic treatment of perforated duodenal ulcer
長島 敦
1
,
吉井 宏
1
,
奥沢 星二郎
1
,
北野 光秀
1
,
土居 正和
1
,
山本 修三
1
,
北島 政樹
2
Atsushi NAGASHIMA
1
1済生会神奈川県病院外科
2慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
十二指腸潰瘍穿孔
,
腹腔鏡下手術
,
大網被覆術
Keyword:
十二指腸潰瘍穿孔
,
腹腔鏡下手術
,
大網被覆術
pp.829-835
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901579
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狭窄のない十二指腸潰瘍穿孔1O例に腹腔鏡下大網被覆術を施行し,良好な手術成績を得た.術前に上部消化管内視鏡検査を行い,十二指腸潰瘍穿孔の診断と狭窄がないことを確認した後,臍下縁より腹腔鏡を挿入,上腹部に3本のトラカールを刺入して手術を行った.大網被覆はGrahamの方法で行い,結紮は結紮鉗子を用いる体外式結紮で行った.次いで,10,000 mlの温生食水で十分に腹腔内洗浄を行い,ドレーンを留置して手術を終了した.術後は経鼻胃管を挿入,H2ブロッカー,抗生剤を投与し,第7病日に内視鏡検査を施行した.現在まで術後合併症はなく,潰瘍再発を認めていない.本法は術後疼痛が軽微で,美容上も優れており,早期離床・早期退院が可能となる優れた術式と考えられた.
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