昨日の患者
馴染みの患者さん
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.435
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104011
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- 文献概要
急性疾患を主に扱う病院では,特定患者さんの診療に長期間にわたって携わる機会は少ない.一方,当院のような地域に根ざした病院では,長期にわたって種々の外科的疾患で受診する馴染みの患者さんが多数存在する.そして長年築いた縁で,受診するたびに病気以外の近況報告を受け,さらには自作の野菜などをも置かれていくことなどもある.
Tさんは80歳代前半の現役農夫である.私がこの病院に赴任した25年ほど前に,直腸癌で直腸前方切除術を施行した.それ以来,手の怪我から急性胆囊炎まで,種々の外科的疾患でたびたび外来を受診する.そして現在は,時々悪化する痔核で来院する.
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